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モニタリング中断したまま 県総合医療センターの医療事故 危機管理体制が不十分 調査委員会が報告書
去年7月、岐阜県総合医療センターに入院していた3歳の女の子が、首に装着していた呼吸を補助する器具が外れて、その後、死亡した医療事故で、医療センターは20日、「患者の監視体制が十分でなかった」とする調査委員会の報告を発表しました。
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※県総合医療センター 桑原尚志 院長
「この度の医療事故につきまして、深くおわび申し上げます」
この事故は、去年7月25日、女の子の気道を確保するため装着されていた「気管カニューレ」と呼ばれる器具が外れて心配停止状態となり、その後の蘇生処置で心拍は再開したものの脳の障害が大きく、1か月後に死亡したものです。
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県総合医療センターで記者会見した桑原尚志院長は、事故当時の状況について、患者の心拍などをナースステーションで監視しアラームで知らせるモニターが中断されたままになっていて、患者の異変に迅速に気づくことができない状態だったと説明しました。
調査委員会は、患者に対する看護ケアの中で一時的に中断されたモニタリングが適切なタイミングで再開されなかったことを事故の要因に挙げています。アラームを解除するための中断操作に明確なルールがなく、個々の判断で慣習的に中断操作が行われていたことは「適切であったとはいえない」として、「モニタリングシステムの危機管理体制を整備すべき」と総括しています。
桑原院長は「原因はモニター中断についてのマニュアルを定めていなかったことにある」との見解を示し、再発防止のためのマニュアルを整備したと話しました。また、事故の背景について、頻発するアラームへの対処が課題であるとして、病院全体で解決に取り組む姿勢を示しました。
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※県総合医療センター 桑原尚志 院長
「ますます医療が高度化し、多くの機器がアラームを発生する現場で働く看護師たちは、歯を食いしばって働いていると理解しています」「2度と起こしたくない事故ですので、深く反省し、医療安全対策に真摯(しんし)に取り組んでいく」
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一方、病院側の会見を受けて遺族は「事故がなければ、今ごろ家で娘といっしょに過ごせていた」と無念さで涙ぐみながら再発防止を訴えました。
※遺族
「患者ひとりひとりに合った医療機器の使用や設定が重要であることを忘れず、再発防止に取り組んでほしいと思いました」
