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薬液「本注入」計画取りやめ 岐阜県瑞浪市のリニアトンネル 重大なリスク伴う

JR東海は3日、瑞浪市大湫町のリニア中央新幹線トンネル掘削工事現場で続く湧水の対...
湧水対策の薬液をトンネル内壁に注入する穴をドリルで開ける作業=24年5月、瑞浪市(JR東海提供)

 JR東海は3日、瑞浪市大湫町のリニア中央新幹線トンネル掘削工事現場で続く湧水の対策として計画していた薬液の「本注入」について、重大なリスクが伴うなどとして取りやめると明らかにしました。

 トンネル工事をめぐっては、2023年12月から湧水が発生し、その後、周辺の地下水位の低下や地盤沈下が確認されていました。

 JR東海は工事を中断し、湧水を抑える薬液をトンネル内の壁に注入する対策の準備を進めていましたが、同様の対策が行われた鹿児島県のトンネルで崩落事故が発生したため実施を慎重に検討していました。

 JR東海はこの日、住民向けの説明会を非公開で行い、本注入でも水位の回復は元の状況までは望めず、将来的にトンネルが水圧によって損傷する恐れがあるとして計画を取り止めることを伝えました。

 同時に今後、水位は観測地点で約2~5メートル程度、地表面は約5~16センチ程度、それぞれ4月時点から低下するとの見込みを示しました。

 また水資源確保について、深さ約170メートルの深井戸を整備することやキャンプ場跡地付近の水源を活用する計画を提示しました。

 JR東海などによりますと、住民からは「納得していない」「水位を回復させるための方法をもっと検討して」といった声が上がりました。

 県は6日、専門家を集めた会議を開き、JR東海が経緯を説明します。

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