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リニア中央新幹線が導く未来 岐阜の新たな玄関口へ 岐阜県

東京品川~名古屋間で建設が進むリニア中央新幹線。県内には、中津川市に駅が建設される予定で周辺の街は変わりつつあります。岐阜の新たな玄関口として期待されるリニア中央新幹線の現状と未来を紐解きます。
世界最速の時速500キロで走行するリニア中央新幹線。東京の品川から名古屋まで最速40分でつながります。
時速約150キロまではタイヤで走行しますが、その速度を超えると、浮上走行となります。車両に搭載されている超電導磁石と地上のコイルの間で働く磁力で車両は10センチほど浮き上がり、時速500キロで走ります。国土交通省は「営業線に必要となる技術開発は完了している」と評価しています。
JR東海は2027年の開業を目指していましたが、静岡県での着工が認められず、開業時期は見通しが立っていない状況です。
一方、岐阜県の瑞浪市大湫町では地盤沈下や井戸水の低下が問題となり、工事を一時中断。また、中津川市に建設される岐阜県駅(仮)の完成も用地取得の遅れなどで当初の予定よりも6年余りずれ込んでいます。
岐阜県駅(仮称)は、建設されるリニアの駅の中で最も長い駅と言われていて、駅の北部には車両を整備する中部総合車両基地が建設されます。
建設中の岐阜県駅について進捗状況をJR東海に話を聞きました。
※JR東海中央新幹線推進本部 武田和祥主席
「岐阜県駅はホーム2面、線路4線を有する構造になっています。幅は45メートル、高さは30メートル、長さは1.3キロ続く地上駅になっています。高架橋は2層構造になります。1層目が駅舎になり、2層目が本線ホーム区間になります」
「中央新幹線が開業しますと、岐阜県駅から名古屋駅まで約15分、品川まで約60分で結ばれることになります。東濃地域全体の利便性が大きく向上すると考えています。岐阜県駅を利用する人たちによって中津川がさらににぎわい、その効果が周辺まで波及するよう1日でも早い開業を目指して、引き続き工事の安全を第一に環境の保全・地域との連携を重視しながら関係者一同着実に工事を進めてまいります」
では、岐阜県駅周辺は、どのように変わっていくのか 中津川市に話を聞きました。
※中津川市リニア都市政策部 駅周辺企画課 葛西将光課長
「リニア岐阜県駅から100メートル離れたところにある美乃坂本駅を整備していこうと考えています。この辺り一帯、バリアフリー基本構想を作成し、中津川市とJR東海と一緒になって美乃坂本駅の建て替えということで自由通路を整備して、橋上駅化をする事業を進めています」
また、両駅の周辺には中央駅前広場が整備され、飲食店や宿泊施設が建設される予定です。
※中津川市リニア都市政策部 駅周辺企画課 葛西将光課長
「近くにある一級河川の千旦林川と駅舎が交差する形の珍しい駅になっていきます。自然豊かな中津川市や岐阜を感じてもらえるような親水公園を整備したいと考えています」
運輸省の中央リニア新幹線スキーム検討委員会で幹事長として、経済効果を分析した名古屋大学名誉教授・東海学園大学卓越教授の林良嗣氏は、事前の環境整備が重要だと示した上で、3つの効果を挙げています。
※名古屋大学名誉教授・東海学園大学卓越教授 林 良嗣氏
「東海道新幹線で大きく経済が発展した。今回も異次元の速度になってくるので居住と通勤と仕事と観光の関係が大きく変わると思う。①地域では経済が維持される。②住んでいる人のクオリティーオブライフが上がる。③海外の人と交流ができる。3つ目が非常に大きいと思う。日本はこれから経済の大きさだけで勝負できないので、人口が減っていくから。海外の人と交流して友達になって、次への展開ができてくる。それは両端のセントレアと羽田の国際空港にアクセスできるからで、リニアの大きな役割をだと思う」
新知事の江崎禎英氏は、リニア中央新幹線とどのように向き合って行くのでしょうか
※江崎禎英知事
「駅ができてから、物を考えるのは遅いと思っています。開通した時に乗った人が『なんでこの岐阜県駅に降りるのか』という意味と『すごい』と思ってもらえるような街づくりをしないといけないと思っています。東京の二番煎じではなくて、東京の人にとって、一度行ってみたい場所や生活の一部として、教育やビジネスの一部になれるような街づくりしていく。岐阜からも約1時間で行けるので仕事の仕方も変わっていきます。駅周辺だけではなくて、広域で絵を描き始めています」
21世紀に、リニア中央新幹線は新たな時代を切り拓くのか…
人は未来を見据えて、新たな街を描きます。