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「いろいろな観点で代替案を」 瑞浪市のリニア工事水位低下問題 薬液の本注入断念で岐阜県審査会

リニア中央新幹線の日吉トンネル掘削工事により瑞浪市大湫町で井戸などの水位が低下している問題について岐阜県環境影響評価審査会の地盤委員会が6日、県庁で開かれました。
10回目の会合となる今回は工事を進めるJR東海が3日の地元説明会でも示した湧水対策で計画していた薬液の本注入の断念について検討結果などを説明しました。
中止の理由について、水位が元の状況までの回復を望めない一方で、将来的にトンネルが水圧で損傷する重大なリスクが想定されることなどを報告しました。
JR東海の説明を受け、委員長の神谷浩二岐阜大学工学部教授は「いろいろな観点で代替案を考えてほしい」と述べ、これまでの経緯や状況の整理などを報告書にまとめるよう求めました。
また、瑞浪市の水野光二市長は、住民説明会を踏まえて「地元住民も、本注入の取りやめは概ね理解しているが、湧水を止める方法のさらなる検討を望んでいる」などと訴えました。
トンネル工事をめぐっては、湧水の発生によって周辺の地下水位や地盤が沈下し、JR東海は対策として湧水を抑える薬液をトンネル内の壁に注入する工法を採用しましたが、同じ工法を取り入れた鹿児島県のトンネルで崩落事故が発生したため薬液の本注入については慎重に検討していました。