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大垣日大高 阪口慶三監督78歳 「祖父孫鷹」最終章へ   夏に向け孫の高橋慎選手をコンバート (ぎふチャンラジオ・吉村功のスポーツオブドリーム)

第95回選抜高校野球大会。大垣日大は1回戦、沖縄尚学に3対4で敗れました。両チー...
指導をする阪口監督と孫の高橋慎選手=19日、安八郡神戸町、大垣日大練習場

 第95回選抜高校野球大会。大垣日大は1回戦、沖縄尚学に3対4で敗れました。両チーム無得点の3回に相手4番に満塁本塁打を浴び、この一発に泣く敗退となりました。

 阪口慶三監督は78歳10カ月で、今大会で甲子園最高齢監督の記録を更新しました。節目となる甲子園通算40勝を懸けた初戦では、自らノックバッドを握って選手を鼓舞しました。序盤のビハインドも6回までに1点差に詰め寄り、終盤勝負の展開に持ち込みましたが、追いつくことはできず惜敗。試合後、阪口監督は「勝ちゲームに持っていける采配がなかったかどうか。結果が出せなかった」と悔しさをにじませました。

 春センバツの翌日、夏に向けた練習を始める大垣日大の練習場に向かった吉村功キャスター。痛恨の本塁打を打たれた山田渓太投手に話を聞きました。

吉村:応援団席で見ていたんだけど、あそこ(満塁の場面)はストレート勝負という他には選択肢はなかった?
山田投手:一番自信のあるまっすぐで勝負しようと思ったんですけど、自分の練習不足だった。ちょっとした甘さで中に入ってしまった。
吉村:考えたらあの一発だけ。あとは要所を締めたいいピッチングだった。
山田投手:去年からの課題だった変化球で三振も多く取れた。打たれながらもピンチを切り抜けられたのはよかった。
吉村:夏に向けての課題は?
山田投手:チームはまだ一度も優勝していないので、夏に岐阜を制して、もう一度甲子園に行くのが目標です。

 この日の取材で、吉村キャスターを最も驚かせたのは、阪口監督の孫の高橋慎選手がキャッチャーミットを手にしていることでした。キャッチャー(捕手)への転向。コンバートの理由を阪口監督に尋ねました。

吉村:高橋選手がキャッチャーに!?
阪口監督:(守備でも)攻撃型のチームにしていきたい。キャッチャーが弱いので高橋をキャッチャーにした。強肩でコントロールもいいので。

  吉村キャスターは、思わぬところで特ダネのインタビューになったと興奮気味。練習場には見栄えのする長身キャッチャーとしての高橋選手の姿があり、キャッチングも見事、返球する球も素晴らしい。キャッチャーというポジションへの向き合い方とこれからの目標を聞きました。

吉村:甲子園が終わったらサード(三塁手)に回るのかと思っていたら、キャッチャーをやるんだって。
高橋選手:そうです。ちょっと挑戦してみます。
吉村:キャッチャーと言われたときは、どんな気持ちだった?
高橋選手:チーム全体をまとめる役なので、やってみたい。練習を積めば、できるかなと思います。セカンド(二塁)への送球は始めたばかりですが、肩には自信があります。

 インタビューは、春センバツ初戦の打撃の話へ。

吉村:右手首にけがをして春センバツの開幕に間に合わないと思ったけど、いい当たり(のヒット)を3本飛ばしたね。
高橋選手:甲子園で痛みはなく、しっかり冬場のトレーニングの成果がでました。

 吉村キャスターは、今回も高橋選手に祖父である阪口監督と一緒に野球をすることへの思いを聞きました。しかし、照れもあるのか、阪口監督についての直接的な言葉はなく、チームとして最後の夏に向けた意気込みを次のように語りました。

高橋選手:自分としての集大成でもあるので、チームをまとめて夏の大会に臨めるよう、1日1日の練習を大切にしていきたい。

 一方、阪口監督の思いは。

阪口監督:あとわずかだなとか、孫の進路を考えたりすると、寂しい気持ちにもなる。しかし、夏は(春に)負けた分を取り戻さないといけない。何が何でも甲子園に行きます。

 阪口慶三監督78歳は燃えていました。夏こそ、甲子園で40勝を。大垣日大の「祖父孫鷹」最終章は、監督とキャッチャーで迎えることになりました。

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