テレビ

美の精華

第4木曜 ごご6時~6時15分

第62回 チェリスト 堤剛

2022年5月26日(木)

名実ともに日本を代表するチェリスト堤剛は今年3月、岐阜市で開かれた大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会にソリストとして招かれ、ブラームスの「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」を演奏し観客を大いに魅了した。幼少期に父親からチェロの手ほどきを受けた堤はその後、音楽家・齋藤秀雄に師事。世界各地で演奏を重ねながら大きな評価を得る一方、音楽教育にも力を注いできた。
「室内楽は音楽のエッセンスを学ぶのに一番良い」と話す堤に、その言葉に込めた思いを聞く。

出演者

堤剛(チェリスト)
嘉根礼子(サラマンカホール支配人)


第63回 ヴァイオリニスト 辻彩奈

2022年6月23日(木)

モントリオール国際音楽コンクール(2016年)第1位と併せて5つの特別賞を受賞した辻彩奈(大垣市)は、人気・実力ともに兼ね備えた気鋭の若手ヴァイオリニストだ。
辻は今年3月、大阪フィルハーモニー交響楽団の岐阜定期演奏会で日本を代表するチェリスト堤剛と共演。1748年製のガダニーニで舞台に立った。演奏曲は「自分の中ですごくハードルが高い作曲家」だというブラームスの「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」だ。コロナ禍は自身と向き合うきっかけになったという辻に、演奏家として新たにした思いを聞く。

出演者

辻彩奈(ヴァイオリニスト)
嘉根礼子(サラマンカホール支配人)


第64回 箏奏者 日原暢子

2022年7月28日(木)

箏奏者の母をもち、3歳で師匠についた日原暢子は東京芸大邦楽科に進学。その後、二十五本の絃をもつ二十五絃箏と出会う。13本の絃をもつ従来の箏に比べて一回り大きい二十五絃箏は、音域が広く大きな音が出る工夫がなされている。
今年4月、日原は二十五絃箏のコンサートを岐阜市で開催。古典から現代曲まで幅広い楽曲を演奏したほか、十三絃箏と二十五絃箏を弾き比べてみせるなどプログラムには工夫が凝らされた。自身の音楽世界と真摯に向き合いながら、多くの人に箏の魅力を伝えようと活動する日原の姿を伝える。

出演者

日原暢子(箏奏者)
金子根古(サラマンカホール)


第65回 ピアニスト 金子三勇士

2022年8月25日(木)

日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれたピアニスト金子三勇士(かねこみゆじ)は、幼少期から卓越した才能に恵まれた。6歳で単身ハンガリーに渡り、数々のコンクールで入賞。世界屈指の音楽学校として知られるハンガリー国立リスト音楽院大学(特別才能育成コース)への入学を許された。現在国内外で幅広い演奏活動を行っている金子は、若きピアノ界のホープとして今後が大いに期待されている。
今年5月に岐阜市で開かれたコンサートでは19世紀を代表する作曲家ショパンとリストの作品を演奏した。どのような解釈で二人の作品世界に挑んだのかについて話を聞いた。

出演者

金子三勇士(ピアニスト)
嘉根礼子(サラマンカホール)


第66回 チェンバリスト 中野振一郎

2022年9月22日(木)

チェンバリストの中野振一郎は幼少期からフランスの宮廷文化に憧れていたという。チェンバロはピアノに似た形の鍵盤楽器だが、その構造は大きく異なる。ピアノは弦を叩いて音を出す打弦(だげん)楽器であるのに対して、チェンバロは小さな爪で弦を弾いて音を出す撥弦(はつげん)楽器。楽器全体が共鳴する仕組みで、繊細で豊かな倍音の響きが魅力だ。17~18世紀に花開いたフランス宮廷音楽界で重要な役割を果たした作曲家フランソワ・クープランの全曲録音に取り組んでいる中野に「美」ついて聞く。

出演者

中野振一郎(チェンバリスト)
竹内香織(サラマンカホール)


第67回 ぎふ弦楽器貸与プロジェクト STROAN

2022年10月27日(木)

サラマンカホール(岐阜市)には「清流コレクション」と名付けられた40挺におよぶ弦楽器がある。これは愛知県の音楽愛好家から2019年に寄贈されたものだ。ぎふ弦楽器貸与プロジェクト《STROAN》は、若手音楽家の育成を目的にこれらの弦楽器を2年間に渡ってメンバーに貸与し、ワークショップやコンサートなどを開いて発表の場を提供する取り組みだ。今年9月に開かれたコンサートのほか、世界的な演奏家による特別レッスン、公開リハーサルの模様を紹介しながら参加メンバーの音楽への思いを聞く。

出演者

嘉根礼子(サラマンカホール)


第68回 ピアノデュオ 石原佳世・岡崎章

2022年11月24日(木)

サラマンカホール(岐阜市)が2014年から1年おきに手掛けてきたコンサートシリーズ「手紙」が先月上演された。5回目となる今回は、スペインの国民的詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの足跡をピアノと語りで綴る意欲作だ。ピアノデュオ石原佳世と岡崎章は、それぞれソロとしても活躍しているピアニストで、大学在学中に出会い意気投合。同時期にヨーロッパに留学し共に研鑽を積んだ。
番組では石原と岡崎のほか、語りを担当した地元劇団の俳優・後藤卓也らが今回の舞台を振り返りながらそれぞれの芸術観を語り合った。

出演者

ピアノデュオ 石原佳世・岡崎章
ほか


第69回 ピアニスト 仲道郁代

2022年12月22日(木)

日本を代表するピアニスト・仲道郁代は今月、サラマンカホール(岐阜市)でオール・ベートーヴェン・プログラムのコンサートを開いた。これはベートーヴェン没後200年で、自身の演奏活動40年の節目となる2027年に向けて意欲的に取り組んでいるプロジェクトを記念したものだ。幅広いレパートリーをもち、国内外の主要オーケストラとも数多く共演するなど、仲道は常に第一線で活躍してきた。
ベートーヴェンへの思いや、演奏家として目指す音楽の美について聞く。

出演者

仲道郁代(ピアニスト)
嘉根礼子(サラマンカホール支配人)


第70回 演出家 乃村健一

2023年1月26日(木)

19世紀末のフランスの作曲家マスネによるオペラ「サンドリヨン」が去年12月、岐阜のサラマンカホールで上演された。全編フランス語で上演時間が3時間を超える大作だ。演出を担当した乃村健一は京都の芸大で彫刻を学び、ミュージカルサークルなどの手伝いをするうちに舞台芸術に興味をもつようになったという。シンデレラ(フランス語で「サンドリヨン」)は、時代を超えて世界中で愛されている物語。乃村はこの作品と大学時代に出会い、一番好きだという。演出へのこだわりと、舞台芸術への思いを聞く。

出演者

乃村健一(演出家)
嘉根礼子(サラマンカホール支配人)


第71回 舞踊家 谷口裕和

2023年2月23日(木)

高山で200年以上続く老舗料亭で育った舞踊家・谷口裕和は、お座敷で踊る芸妓の姿を見て幼少期を過ごした。早くから舞踊家を志し、人間国宝・西川扇藏、舞踊家で振付師の梅津貴昶(たかあき)に弟子入りし修行。26歳で流派に所属しない舞踊家として本名で活動を始めた。谷口の舞踊は特別な衣装を付けず、紋付袴姿で様々な役柄を表現する素踊りと呼ばれるものだ。
先月、岐阜市で谷口の舞台が上演され多くのファンを魅了した。西洋の楽器パイプオルガンとコラボレーションした創作舞台や、古典舞踊の大曲「長唄船弁慶」などの演目を紹介しながら、谷口が目指す芸の世界について話を聞く。

出演者

谷口裕和(舞踊家)
嘉根礼子(サラマンカホール支配人)


第72回 オルガニスト 大平健介

2023年3月23日(木)

オルガニストの大平健介は中学2年でパイプオルガンに出会って以来、その音色に魅了されてきた。東京藝術大学を卒業後ドイツに留学し、教会音楽から現代音楽まで貪欲に学んだ。国際的なコンクールで優勝し、ヨーロッパツアーを成功させた後は、ドイツを拠点に活動。2021年に帰国するまで、ドイツの教会専属オルガニストとしてさまざまな音楽プロジェクトにも携わってきた。オルガンは自分たちと同じ時代を歩いている楽器なんだというメッセージを伝えたいと平井は言う。
先月、岐阜市のサラマンカホールで行われたコンサートの様子を紹介しながら、音楽芸術への思いを聞く。

出演者

大平健介(オルガニスト)
嘉根礼子(サラマンカホール支配人)

番組概要

岐阜ゆかりのアーティストの制作に懸けるエネルギーや創造の原点を探りながら、彼らが求め続けた美の精華(真髄)と独自の表現に迫る番組。

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