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外国人高度人材採用の最前線 地方企業の競争力強化のカギ

デジタルやAIを取り巻く産業の急速な変化が進む中、理系人材の将来的な不足に日本企...
ソフトウェア関連企業に採用されたインド人学生=、東京都港区虎ノ門、PCIソリューションズ

 デジタルやAIを取り巻く産業の急速な変化が進む中、理系人材の将来的な不足に日本企業が直面しています。いかに競争力を高めるか 各企業が模索する中、インド人材が注目を集めています。外国人高度人材採用の最前線を取材しました。

 東京、虎ノ門に本社を構えるPCIソリューションズ。企業活動や私たちの生活に欠かせないソフトウェアやシステムの開発を手がけています。この企業ではことし7月、理系インド人学生3人をエンジニアとして採用。それぞれ生成AIやコンピュータ解析など、すでに最先端技術の即戦力として活躍しています。当初1人だけを採用しようとしていたこちらの企業。インターンシップでその実力と人柄から3人の採用を決めたそうです。

※PCIソリューションズ 役員 石井 奉行さん

「僕の会社がAI関係の仕事をしているので、特に英語の文献から新しい技術をどんどん取り込んでいかないといけない環境です。海外の人材を入れて、そこをテクニカル的に速くキャッチアップしようとしていました。日本語ができることよりも技術的に優れた人を採用したいということで、技術的にはとてもレベルが高いと思います。日本人の新卒の文系の人が入ってきたとしてもプログラムなどのエンジニアになる研修をするのですが、インド人学生はそうした研修を一切していない。でも、日本人の新卒以上の実務レベルを持っているので
そんなトレーニングをしなくても業務ができている状況です」

 高いレベルでコンピュータービジネスなどを学んできた3人、どうして日本企業を選んだのでしょうか。

※マダン クッパンさん

「日本の会社の文化です。みなさん優しく、新しい環境で働きたいという思いもありました」

※ヴィグネシュワラン ヴェンカテサンさん

「子どものころから日本のゲームやアニメを知っていて、日本の文化にとても興味がありました」

※ハジャラ バヌ ジャヒール フセインさん

「子どものころから日本の製品を使うことが多くて、日本の製品の品質の高さから日本の企業で働く経験をしたいと思いました」

 現地の大学からの人材発掘からインターンシップ、そして、採用後のケアまでサポートする「懸け橋インド」の岡本代表は採用のポイントに次の3点を挙げました。

※懸け橋インド 代表 岡本祐太郎さん

【ポイント:高いレベルで即戦力】

 「日本とインドの大学の教える目的が違っていて、日本はどちらかというと学術的教育、特に理系の方は大学院に進学すると思いますが、何で評価されるかというと論文です。論文のクオリティーがいかに高いかで評価される。一方、インドの大学は実務レベルがいかに即戦力かどうかで評価されます。教えるプログラムも1年目から実践的な理系のスキルを学んでいるため、採用時点で即戦力であることが期待されます」

【ポイント:中途採用より新卒採用】

「確実に新卒採用が良いと考えています。中途採用で他の国を挟むと、例えばアメリカですと平気で年収が1000万円や2000万円で日本で抱えられるレベルではなくなってしまいます。いくら日本の方が物価が低いといっても給料が半分や4分の1になるとさすがに受け入れられないとなります。インド人は最初に来た場所が日本だと思うので、地方であっても自分にとっての日本と思ってもらえる傾向にあります。日本人の新卒は地方で働きたがらないとか、行きたがらないというのもあるのでそこもメリットと考えています」

【ポイント:日本の職場文化への順応】

「私も現地の学校で教授を務めたりしているのですが、そこで日本のワークカルチャー(職場文化)を教えています。「和を以て貴しとなす」とか「和を重んじる心」などを伝えています。それを実現するための「ほうれんそう」「根回し」などを教えている時に、それに共感できる人を連れて来るのが重要だと考えています」

※懸け橋インド 代表 岡本祐太郎さん

「3人はどうですか?」

※PCIソリューションズ 役員 石井 奉行さん

「いい人ですねと評判も良くて“新しい風”が吹き込まれ感じで、ねらい通りです」

※PCIソリューションズ 役員 石井 奉行さん

「せっかくのグローバル人材なので、日本人が考えないようなことや我々がはっと気づくような場面。そういうことがあるのだとするとねらい通りだと思うし、期待しているところ。さらにソフトウェアの競争力を高めるには海外の人材が必要になることは必然になるので、我々の会社も海外の人材を入れて競争力を高めていきたいと思います」

※ハジャラ バヌ ジャヒール フセインさん

「AIの知識を増やして、日本語のコミュニケーションも得意になって、チームの他の皆さんから信頼されるようなエンジニアになりたいです」

※懸け橋インド 代表 岡本祐太郎さん

「大手じゃなくてもインド人は日本に来たいと思っています。授業をやった後に学生が私のところに来てこんな会社に行きたいと言うのですが、私が知らないような会社をいっぱい知っています。社格とかブランド名とかあったらご両親は安心すると思うのですが、それだけでは判断せずに、日本のものづくりに関われるとか日本で働けるということを重視しているので、中小企業にも来ていただけると思います。大手自動車会社だけでなく周りのサプライヤーの企業のインターンシップにも喜んで参加しているので、中小企業でも十分チャンスがあると思います。むしろ日本のトップ工業大学の技術レベルの人材を入れられると考えると、地方企業 特に中小企業にも採用していただけたらと思います」

※JETRO 岐阜貿易情報センター 小笹紘大さん

Q日本の将来的な人口減少や産業の成長において理系高度外国人材のニーズはどう見込まれるか?

「特にITやデジタル 製造技術の分野では企業の経営や競争力を左右する重要な課題になってくると考えています。そうした中で理系を含む高度外国人材のニーズはさらに高まっていくと考えています。JETROが昨年度実施した調査においても高度外国人材を採用する企業の中で専門分野の人手不足の解消を採用理由とする企業が4割超あり、そのうち半数近くの企業が『理系人材が不足している』と回答しています。今後1、2年後に高度外国人材を増やす、新たに雇用すると回答する企業も増えていて高度外国人材の採用拡大が見込まれています」

Q岐阜県をはじめ地方における理系高度外国人材インド人材の必要性はどうとらえているのか? 

「地方においては人口減少や若年層の流出によって、都市部以上に人材確保が企業の成長維持にとって重要な課題となっていると考えています。こうした企業にとって高度外国人材は
不足した労働力を補う存在としてだけでなく新たな発想の取り込みや技術力の強化、さらには海外ビジネスを担う重要な存在として活用しうると考えています」

 企業の成長や競争力強化。外国人理系人材に注がれる視線はますます熱を帯びそうです。

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