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柳ケ瀬のシンボル失う 岐阜髙島屋、来年7月末閉店へ 撤退の波紋

2024年7月末の閉店が決まった県内唯一の百貨店、岐阜髙島屋。
岐阜髙島屋は、1977年9月(昭和52年)に開業し、岐阜市の柳ケ瀬商店街の中核施設として売り上げを伸ばしました。
しかし、駐車場を備えた郊外型のショッピングセンターや名古屋の商業施設との競争の中で売り上げが減少。
2004年4月には、髙島屋の本体から分社化され、「岐阜髙島屋」として、経営基盤の改善と強化を進めてきました。
その後、売り場の増床や店舗のリニューアルなどを図り、10階の催事場では、全国各地から集めた選りすぐりの商品販売を展開してきました。
しかし、13日、東京都内で開かれた会見で、髙島屋の村田善郎社長は、営業終了を「苦渋の判断」と話しました。
※髙島屋 村田善郎社長
「取締役会にて、2024年7月31日をもって岐阜髙島屋の営業を終了することを決議いたしました。今後の業績回復が見通せないという状況にあることに加えまして、老朽化に伴う設備更新工事について、家主の合意を得られなかったことから、苦渋の判断でございますが岐阜店の営業を終了することといたしました」
2023年2月期の決算では、約3100万円の赤字を計上。難しい状況が続くなど長期的な売り上げ不振が続く中、今後、建物設備の老朽化への対応にめどが立たないことが「営業終了」の判断につながったといいます。
柳ケ瀬商店街のシンボルの撤退、関係者や買い物客は
※買い物客
「本当ですか、知らなかった。岐阜からデパートが撤退になるね」
「若い時によく来ていましたから、寂しいですけどけど、仕方ないです。世の中の流れですから」
柳ケ瀬一帯を巡っては、ことし3月に「柳ケ瀬グラッスル35」が誕生。地上35階建て、高さ132メートルの新たなランドマークは、柳ケ瀬再生の起爆剤として、構想から35年をかけて岐阜髙島屋の南隣に完成しました。
地権者らでつくる髙島屋南市街地再開発組合の田宮雅雄理事長は、ことし3月の竣工式で「柳ケ瀬に一つの光という道筋ができた」と笑顔を見せました。
「柳ケ瀬の未来」に突然の痛手となった岐阜髙島屋の閉店。
閉店の発表があった13日、取材に答えた田宮理事長は「感謝の思いしかない」と強調します。
※高島屋南市街地再開発組合 田宮雅雄理事長
「とにかく髙島屋さんが来年7月に閉店されても感謝しかない。時代の流れでコロナとか、いろんな不測な状態が続いている段階ではあったので、みなさんも存続するのでものすごく努力をしていますし、その中の決断だと思います」
岐阜髙島屋の撤退を受け、県の古田肇知事は、17日の定例記者会見で思いを語りました。
※古田肇知事
「岐阜県としては唯一の百貨店ということで、それがなくなることについては、非常に私どもとしても地域の活性化とか商店街の振興とか、いろんな角度から見て大変残念に思っております」
跡地利用や商店街の未来は…
また、柳ケ瀬商店街の関係者は、髙島屋の跡地利用に気をもんでいます。
岐阜柳ケ瀬商店街連合会青年部長の水野琢朗さんは、岐阜髙島屋の跡地が、さら地の状態で続くことは避けてほしいといいます。
※岐阜柳ケ瀬商店街連合会青年部長 水野琢朗さん
「建物が残るのか、残らないのかによっても、動き方が変わってきますし、もちろん商店街には、あれだけ大きな面積がまるっと空いてしまうことはかなり痛手になってしまいます。建物が残るか残らないか分からないですが、いずれにしても商店街としても新しいお店だったり、商業施設を誘致できるように動かなければいけないと考えています」
※岐阜柳ケ瀬商店街連合会青年部長 水野琢朗さん
「今後は、ただショッピングで買い物に来る場所というのではなく、商業的な部分と生活に根差した部分を、これまでの柳ケ瀬とまたちょっと違ったベクトルで、まちづくりを進めていきたいと思っています」
(ぎふチャンテレビ「フォーカスぎふ」内)