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パリオリンピック日本代表 アーチェリー斉藤史弥選手(日体大)母校の大垣西高校で養った「風を感じる力」と精神力 岐阜県羽島市出身(ぎふチャンラジオ・吉村功のスポーツオブドリーム)

パリオリンピック代表決定。アーチェリーの斉藤史弥選手は、羽島市出身の18歳。大垣...
パリオリンピック代表決定のアーチェリー斉藤史弥選手=19日、大垣西高校

   パリオリンピック代表決定。アーチェリーの斉藤史弥選手は、羽島市出身の18歳。大垣西高校から今春、日体大へ進みました。8月に行われた世界選手権の男子リカーブ団体に古川高晴選手(近大職員)、中西絢哉選手(シーアール物流)とともに臨み、3位決定戦でイタリアに勝利。上位3チームに与えられるオリンピック出場枠を獲得しました。岐阜県にゆかりのある選手でパリオリンピック代表に選ばれたのは斉藤選手が最初です。

 母校を訪れた斉藤史弥選手と大垣西高校の本間隼人監督に吉村キャスターがインタビューしました。

吉村:正式にパリオリンピックに決まった今の気持ちは? 
斉藤選手:早い時期に決まって本当に嬉しいです。
吉村:オリンピックまで1年弱あるんだけど、逆に調整は難しい?
斉藤選手:目の前の試合に集中して、確実にやっていきたいです。逆に1年間の時間の猶予があるので、ありがたいです。

 オリンピック出場枠を獲得した今年8月の世界選手権を振り返りました。
吉村:今年7月・8月はいろいろな意味で興奮しました。世界選手権の準決勝で、トルコに負けて、3位決定戦でイタリアと対戦。最後の一枚の切符をかけて、その間、大変な気持ちだったのでは?
斉藤選手:トルコ戦で負けてしまったけど、チームのいい雰囲気は変わらずに数分後の試合でした。そこで古川高晴さんが、このまま、このままでいこうという感じでチームを鼓舞してくれたので、イタリア戦でも一本目からいい雰囲気でいけました。
吉村:レジェンド古川高晴さん(39)は、6大会連続オリンピック出場。その存在は大きい?
斉藤選手:経験値もすごいし、ここぞというところで10点を決めてくれるので、本当にありがたい存在です。
吉村:中西絢哉さん(24)は、年も近い先輩という感じだけど、どう?
斉藤選手:中西さんは団体戦で3番手の存在なので、僕がいい流れを作って渡そうと思っていました。中西さんもここぞという時に決めてくれました。年も近くしゃべりやすくて頼りになる存在です。
吉村:イタリアとの3位決定戦では、古川さんを中心に中西さん、斉藤君とチームワークがとてもいいと聞きました。

斉藤選手:古川さんが率先してみんなを鼓舞してくれました。このままいくぞと声をかけてくれたので、チームの雰囲気が良くて、これなら勝てると思いました。
吉村:イタリア戦に見事勝って3位。オリンピックが決定した。メンバー構成はどう?
斉藤選手:すごくいいメンバーです。自分は最年少なので頑張っていきたいです。

 吉村キャスターは、斉藤選手の強さの秘密に迫る質問を投げかけました。「自分の強さはどこからくると分析しますか?」
斉藤選手は「自分ではわかりません」一言照れくさそうに答えました。
吉村:ある人は君の強さ、一番のすごさは「修正能力」だと言っている。フィールド競技なので、風の影響もかなりあるよね?
斉藤選手:修正能力は確かにあると思います。風が体にあたる感覚とか、これまでの経験をいかして、このあたりを狙えばいいのかなと今は感じています。
吉村:イタリア戦でも風の影響があったようですが、古川選手の2番手として出場した。大変だったのでは?
斉藤選手:古川さんが1番手で「斉藤はここを狙えばいいんだぞ」という話や「ちょっと流れるかもしれない」とか、1番手としての役割を果たしてくれたので、自分の最高のプレイができて、古川さんには感謝しています。

 インタビューでは、斉藤選手が力を培った大垣西高校時代の話題になりました。
吉村:練習場の向こうには、川があって川風が吹くので、ここで練習した成果があったかな?
斉藤選手:風のことがよくわかってありがたいと思っています。風が強い場所に慣れていたので、力がついたのかなと。

 斉藤選手はパリオリンピックへの意気込みを次のように語りました。「パリオリンピックでは、ゴールドメダルマッチに進んで、楽しい試合になればと思います」

 これまで斉藤選手と二人三脚で歩んできた本間隼人監督に話を聞きました。
吉村:パリオリンピックが決まってどうですか?
本間監督:すごく嬉しかったです。時間がたって課題も出てきましたが、オリンピックでメダルをとってほしいです。
吉村:改めて聞きますが、彼の一番の強さはどんなところですか?
本間監督:緊張する場面でベストパフォーマンスができるし、気持ちの持っていきようがすごい。本人に聞いてみたら、緊張すればするほど、自分の合格点がシビアになっていって、意識が細かくなる。更には、真ん中の狙いへの意識が高まると言っていました。
吉村:パリオリンピックでは、金メダルを狙ってほしいですね。
本間監督:頂点に立って、金メダリストの景色を味わってほしいと思います。

吉村:斉藤君。本間監督にここでお礼の言葉を述べたら。
斉藤選手:これまでありがとうございます。
おどけたようにそして、照れくさそうに述べた感謝の言葉。

 斉藤選手が高校時代から取材を続けてきた吉村キャスターは「本当に本間監督と斉藤選手はいいコンビ」と語りました。大垣西高校のアーチェリー場には、3人の希望にあふれた笑い声が響き渡りました。

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