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岐阜県内、間もなく積雪シーズン 大雪への備えは何より事前の準備 停電回避を目指す電力会社(フォーカスぎふ)

伊勢湾台風を契機に災害報道の必要性から生まれたぎふチャンでは、開局60年の202...
2014年12月17日の大雪で、中部縦貫道が全面通行止めとなったことを示す電光掲示板=高山市内

 伊勢湾台風を契機に災害報道の必要性から生まれたぎふチャンでは、開局60年の2022年は大きなテーマに防災を掲げています。テレビ番組「フォーカスぎふ」でも3月から「地震」「豪雨」「噴火災害」などを取り上げてきましたが、今回は「豪雪」について取り上げます。

 2022年も12月に入り、岐阜県内では飛騨地域や中濃地域を中心にいよいよ本格的な雪のシーズンを迎えます。今回は8年前の豪雪被害を振り返り、私たちができる大雪への備えを考えます。

 2014年12月17日、県内は飛騨地方を中心に大雪となり、一晩で白川村は113センチ、飛騨市河合では90センチの積雪を観測しました。雪は平野部でも断続的に降り、岐阜県によりますと、雪下ろし中の転倒事故などで4人が重軽傷を負いました。


 その後26日まで大雪が続いた高山市では、避難所を市役所本庁舎や各支所、それに大規模施設「飛騨高山ビッグアリーナ」など11カ所に開設。ピーク時、32世帯64人が自主避難したということです。

 高山市職員の石垣亨さんは「(当時は)12月に入ってから雪がずっと降り続き、17日から降雪量が多くなって、翌18日に県道462号線が通行止めとなってしまいました」と振り返ります。当時、市営の飛騨高山スキー場の施設管理に携わっていた石垣さんは、スキー場近くの施設で孤立した3人を救助しようと歩いて現地に向かい、消防と連携しながらヘリを呼んだといいます。

 この大雪で何より住民を苦しめたのが大規模な停電でした。高山市内では積雪などによる倒木で電線が切断され、約1万5000戸が停電。「電話がつながらない」「暖房器具が使えない」など、多くの住民が数日間にわたって大雪の中で電気のない不安な生活を余儀なくされました。

 石垣さんは「停電になるとすべてがダメになる」と言い切ります。スキー場は凍結防止ヒーターが切れた時点ですべてのものが凍り付いたといいます。

 丹生川町の丹生川中学校では校舎が停電。23日まで休校し、24日からは市の丹生川支所を間借りして授業を再開しました。中には自宅が停電し、家族でホテル生活を余儀なくされる生徒もいたということです。

 一刻でも早い復旧を目指した中部電力、現在の中部電力パワーグリッドの高山営業所では、大雪が降った9日間で約80人、各地からの応援を含めるとのべ8000人が復旧作業に関わりました。停電が全面復旧したのは9日後の12月25日でした。

 9日間にわたって降ったこのときの大雪。雪と歩んできた飛騨地域ですが、電気に頼る現代の生活を直撃した大規模停電をはじめ、集落の孤立や物流のストップなどライフラインを寸断した大雪の脅威を、皆があらためて実感したといいます。

 あれから8年。現在、ライフラインの維持、確保にはどのような取り組みが行われているのでしょうか。

 中部電力パワーグリッド高山営業所・配電運営課配電技術長の大平徹さんは2014年の大雪の時、現場監督である班長として電力復旧に全力を注ぎました。「(当時は)非常に重たい水分を多く含んだ雪が、多いところですと腰上まで積もっている状況で。それによって倒木の数もものすごくあったという記憶があります」


 この大規模停電の反省を踏まえ、中部電力では翌年から高山市や周辺自治体、関係機関とともに計画的に送電確保策を進めてきました。「事前伐採」です。

 事前伐採とは、大雪や豪雨による倒木での停電や道路の寸断、集落の孤立を防ぐため、電線が近く、倒木のおそれがある道路沿いの木をあらかじめ伐採するものです。県内では県と市町村、そして中部電力が連携して進めています。事前伐採は「岐阜県強靱化計画アクションプラン2021」にも盛られ、21年度は倒木の恐れがある電線沿いの立木を事前伐採する13の市町に補助し、実績として約21ヘクタールの伐採を行ったということです。

 22年11月、高山市の奥飛騨温泉郷地域では、中部電力や地元の造園業者約10人で倒木を取り除く復旧作業ととともに、今後被害が出ないような木の伐採が行われていました。大平さんは「こうした連携作業は、大規模な災害が起きてからといって急にはできません。日々こういったところで一緒に連携を確認することで、有事の際にもそれが発揮されていくと思います」と狙いを語ります。

 このほか、関係機関は雪崩などにより道路が封鎖された場合を想定して、救助訓練も行っています。住民の生活、ライフラインを守るのは何より事前準備と連携だとしています。

 日本気象協会は今シーズンの積雪について、12月中は「平年よりも少ない」と見込んでいます。しかし年末から年明け1月上旬ごろには、まとまった雪が降る見通しだということしています。

 私たちはどのように備えればよいのでしょうか。降雪量の多い地域では、雪に備えて食料品などを備蓄していることが多いので、大雪予報が出たら「不要不急の外出」は控えることが重要です。ただ、そんな時でもどうしても外出しなければならない時も出てきます。


 こういう時に備えて、雪が降る前に車へのスタッドレスタイヤや雪用タイヤの装着、チェーンの携行が勧められています。高速道路や国道で多数の車が立ち往生するニュース映像は記憶に新しいところ。最近は高速道路でも大雨や大雪が予想される時には、かなり早くから交通規制を行うようにしていますので、その情報を積極的に提供しています。

 
 各自治体や中部電力も、停電をはじめさまざまな情報をホームページで更新しています。私たちは何より積雪前に基本的な冬支度を終えることが重要です。

(ぎふチャンテレビ2022年12月2日放送 フォーカスぎふ「今週のフォーカス」)

ぎふチャン公式YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=F1A31sGG0eE

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