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「頑張りすぎず、子どもと楽しむ時間を」 岐阜県内の産後うつ・ケアの現状(下) フォーカス岐阜

産後ケアの大切さを考えた「今週のフォーカス」。連載(下)では、ケアの一つとして注...
「産後ドゥーラ」の小川さんとほほ笑む杉山さん(右)=7月、岐阜市内

 産後ケアの大切さを考えた「今週のフォーカス」。連載(下)では、ケアの一つとして注目を集めつつある「産後ドゥーラ」を取り上げます。

 産後ドゥーラは産前産後の女性特有のニーズに応え、心身の安定と産後の体の回復、赤ちゃんの育児や新しい生活にスムーズに入っていくため、母親の気持ちに寄り添ってサポートする専門家です。一般社団法人「ドゥーラ協会」が認定し、岐阜県では現在5人が活動しています。そのうちの1人、活動して6年目になる小川溶子さんを取材しました。

 この日は、依頼を受けた岐阜市の杉山ゆかりさん(39)の自宅に向かいました。杉山さんは2児の母で、上の子は小学1年生。下の子ひまりちゃんを今年3月に出産したばかりです。訪れた時、ひまりちゃんの機嫌が良かったので、杉山さんは小川さんに家事をお願いしました。

 小川さんが季節の野菜を使ったメニューを手際よく作っている間、杉山さんはひまりちゃんに添い寝しながら、自分の体を休めています。産後の心身について話してくれました。

 上の子の時は、出産後に体が動けなかったといいます。何よりきつかったと思い起こすのは約3時間おきの授乳。「とにかく寝られなかった。これが一番しんどかった」と振り返ります。杉山さんはミルクもお湯も全部布団の周りに配置して、なるべく動かなくていいようにしていたといいます。「隙あらば寝るぞ、寝れなくても横になるぞ…という感じ。いかに自分を休ませるかばかり考えていました」といいます。

 それでも日常の家事が頭から離れません。「赤ちゃんが寝ている時は寝ていたらいいよと言われたけど、私が寝ていたらこの家事は誰がやるの、と思うと動かざるを得ませんでした」。2人目の出産となる今回は、子どものためにも穏やかな時間を過ごそうと、ドゥーラを依頼しました。

 ひまりちゃんが眠ってしまったので、小川さんの料理をゆったり味わえた杉山さん。今はこの時間が楽しみで仕方ないと笑います。

 小川さんは、産後も休めない母親について本当は寝ていたいけど許されないと思い込んで、無理している人が多いと感じています。努力が他の人より足りないと思っている人には「これでは自分を追い込むだけ。子育ては頭のスイッチを切り替える必要があります」と諭すように語りました。

 いま、産後ケアの選択肢は広がっています。

 特にコロナ禍のいまは、他の母親らと話す機会も少なくなっています。ただ、赤ちゃんとずっと二人きりでは誰でも息詰まってしまいます。いまこそ人とつながり、自分以外の手も借りながら子育てしていくことが大切になっているのかもしれません。

 小川さんは「(母親は人の手も借りて)頑張りすぎずに、子どもがかわいい時期を素直にかわいいと思ってもらいたい。抱っこして、かわいいと思える時間が長ければいいね」と語ってくれました。この言葉に産後ケアの大切さ、意味が凝縮されているようです。

笑顔で話す小川さん(左)と杉山さん=7月、岐阜市内

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