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「心と体、ともにケアとサポート必要」  岐阜県内の産後うつ・ケアの現状(上) フォーカス岐阜

最近、ニュースなどでよく聞く「産後うつ」。女性が産後に倦怠感を感じて気分が落ち込...
バランスボールで体を動かす親子ら。ストレス解消と悩みの共有に効果的だ=7月、岐阜県各務原市内

 最近、ニュースなどでよく聞く「産後うつ」。女性が産後に倦怠感を感じて気分が落ち込んだり、イライラしたり、眠れなくなったりといった症状が続く状態です。今回の「今週のフォーカス」では、うつ状態に陥る前に母親の心と体をサポートする産後ケアの大切さと、母親らに寄り添い、サポートする「ドゥーラ」の活動、思いに迫りました(2回連載)

 岐阜大学医学部付属病院の医師・蔵満彩結実さんによりますと、現在、産後の約10人に1人がうつの状態になり、近年増えてきているということです。

 コロナ禍も影響していると指摘する蔵満さん。産後の母親が感染だけでなく周囲からの批判を恐れて外出しづらくなっていて、育児のストレスや不安を共有、解消する場が限られてしまったことが増加の一因だと指摘します。そのうえで「この状態が子どもの虐待につながったり、死にたいという気持ちが芽生えると無理心中につながったりすることもある」と警鐘を鳴らし、ケアの必要性を声高に訴えます。

 岐阜県内にある産後の心身のバランスを整えながら、親子のコミュニケーションを深める場を訪れました。各務原市の「すずらん助産院」。ここで行われているバランスボール教室には、毎回2~3組の親子連れが参加して、楽しんでいます。

 「人としゃべると気分転換にもなり、すごくいいです」「すごくストレスが発散できます。私は実家が遠いので、誰かと話すだけでもかなり気持ちが楽になります」。子どもをすぐ脇で遊ばせながら体を動かす母親たちからは、笑い声が絶えません。

 講師の林沙由理さんも、産後に人とのつながりが薄くなって孤独感を感じたひとりです。友人に「こんなに人は変わってしまうんだね」と言われてはっとしたことがきっかけで、バランスボールに通うようになり「はまってしまった」といいます。産後ケアを施す側になったいまは、楽しそうに体を動かす母親たちの姿を見ることがストレス解消になっていると笑顔を見せます。

 あらためて、産後の母親の体の負担について専門家に聞きました。

 「妊娠・出産は交通事故にあったレベルで体が痛みます。見た目は元気に見えても、体が完全に元気になるのには数カ月かかりますし、体力が戻るのにも時間がかかります」

 岐阜大学医学部付属病院の医師・志賀友美さんは、母親にかかる体の負担をこう例えました。妊娠・出産はまさに命懸け。それだけに産後のケアが重要だと主張します。「昔のお母さんは産後しばらく床上げせず、身の回りと赤ちゃんのことだけして、家のことは親せきや近所の人がやってくれていた。それが本来の産後ケアです」。志賀さんは多方面からのサポートが大事だと強調しました。

=(下)につづく=

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