■ガイアの夜明け 「セイホ“新”戦国時代〜あなたの保険は大丈夫?」

12月 4日(火)よる10時00分〜10時54分
「セイホ“新”戦国時代〜あなたの保険は大丈夫?」
【出演者】
(ナビゲーター)役所 広司
(ナレーター)蟹江敬三
日本そして世界の経済の動きを幅広いテーマで描くドキュメンタリー。

【みどころ】
140年間、規制に守られてきた生保業界が今、激動期を迎えようとしている。
今年10月には郵政民営化で国内最大手の生命保険会社〜かんぽ生命が誕生した。そして12月には業界最大にして最後の規制緩和、銀行窓販全面解禁が行われる。販売方式も「生保レディに頼る」時代から、銀行窓販や来店型店舗、ネットなど様々な手法で保険商品を売る時代になってきたのだ。生命保険業界の未来を探る。
【内容】
■かんぽ生命 ・・・動き出した巨大生保
今年10月、郵政民営化で世界最大の生命保険会社〜かんぽ生命が華々しく誕生した。業界首位の日本生命の2倍強という巨大ぶりだ。特に強いのが地方でのネットワーク。郵便局員が配達をしながら「簡易保険」も扱い、きめ細かな地域密着のサービスを行ってきたからだ。
しかし民営化で、これまでのように配達をしながら保険を扱えなくなった。公共サービスの側面から、あくまで収益が求められるようになったかんぽ生命。民間生保をこれからも凌駕し、“民業圧迫”と呼ばれるのか、逆に民間生保から“草刈り場”にされるのか。民営化によって現場はどう変わるのか。2万人の営業マンの中で成績トップのセールスマンを大阪で、富山・山間部にある郵便局職員を取材する。
■日本生命 ・・・生保レディの現場
生保業界で11月は、“重大月”と言われる書き入れ時だ。農村の収穫期に合わせて売り上げ拡大を図ってきた名残りで、11月は通常の2倍、3倍の売り上げを課せられる。しかし今年の11月はこれまでにない逆風が吹いていた。生保業界全体で910億円にものぼった不払い問題で、生保業界に厳しい視線が向けられていることと、10月に誕生した巨大生保〜かんぽ生命の影響をもろに受けたからだ。
番組では、これまで業界トップだった日本生命の2人の生保レディを追う。5億円の死亡保険を売り歩く西川さん。大阪で着実に売り上げを伸ばしてきたトップセールスレディだ。一方、熊本で生保レディとしてスタートしたばかりの富田さん。このベテラン、新人ともに、この秋は苦戦を強いられている。
既存の生命保険会社を取り巻く環境が劇的に変化する中、古い生保レディのあり方からの脱却を模索する日本生命の姿を、西川さん、富田さんを通じて取材する。
■多様化する生保商品のセールス ・・・リンクトラスト、ハートフォード生命
生保商品の選択肢が幅広くなった。「生保レディに頼る」時代から、消費者自ら複数社の商品を簡単に比べて契約できる時代に移行。大幅な規制緩和により生保商品の販売方法が多様化してきたのだ。その最新状況を追う。
※リンクトラスト ・・・来店型で客に選択肢を
主婦の中村さんは生命保険で悩んでいた。子供が1歳になるのを前に死亡保険に入ろうと考えているのだが、どこがいいのかわからない。そこで彼女が行ったのがライフサロンという保険代理店。ここにはパンフレットは一切なく、代わりにあるのが子供用のおもちゃばかり。この店は客にパンフレットから保険商品を選ばせるのではなく、客のライフスタイルや将来の生活スタイルを聞いて保険を作るという。そのため、パンフレットは必要なく、主婦が子供を連れてゆっくりできるための子供用おもちゃが置いてあるのだ・・・。複数社の保険商品を簡単に比較でき、保険を一括管理もしてくれる、新しい保険業態を取材。
※ハートフォード生命 ・・・銀行窓販で先行
生命保険が銀行の窓口で購入できる窓販が12月末に解禁される。窓口販売のみで商品展開する同社はビジネスチャンスと、攻めに入る。銀行を回るセールスコンサルタントを3割増やし、日本市場攻略へ強力に舵を切る・・・。
■ガイアの夜明け

11月27日(火)よる10時00分〜10時54分
「限りある魚を守れ 〜世界の水産資源の危機〜」
【出演者】
(ナビゲーター)役所 広司
(ナレーター)蟹江敬三
日本そして世界の経済の動きを幅広いテーマで描くドキュメンタリー。

【みどころ】
世界的な健康ブームで、これまであまり魚を食べなかった欧米で魚の消費量が増えており、世界の水産資源が劇的に減り続けているという指摘がある。魚の取りすぎで魚の取れなくなった漁港も出てきている。アメリカのサイエンス誌に発表された論文によると、このままでは2048年までに天然の水産資源がなくなる恐れがあるという。こうした状況のなか、「水産資源」を持続的に守っていこうという取り組みを追う。
【内容】
■崩壊した漁場
カナダ沖大西洋のグランドバンクスという漁場は、かつてタラの漁獲で有名だった漁場だ。最盛期の60年代にはタラの漁獲が約80万トンを記録。しかし、乱獲がたたり、その後漁獲量は減少し始める。70年代の中頃には約30万トンに、そして1992年、とうとうグランドバンクスの漁場はすべて閉鎖された。漁業や水産加工関係の失業者は約4万人にのぼった。一体、何が悪かったのか?そして、グランドバンクスの漁場は今どうなっているのか?また、日本でも魚の取れなくなった漁港は存在する。そうした現状をリポートする。
■京都漁連の挑戦
一方、一度、取れなくなった漁業資源を自力で取り戻そうとしている漁業組合がある。舞鶴に本部を置く京底連(京都府機船底曳網漁業連合会)。ズワイガニの取りすぎのため70年代に漁獲量が激減。そこで京底連は30年近くに渡って漁期を決めたり、漁具を制限したり、厳しい資源管理を行ってきた。後継者のために目先の利益より持続可能な漁業をしていこうと考えたのだ。そしてその活動を、目に見える形にしたいと思っていた。そんな時、持続可能な漁業に対して認証される「MSCマーク」の存在を知る。京底連がその取得を目指すことにしたのだ。
■持続可能な漁業を認証する
MSCマークとは?MSC(海洋管理協議会)とは、WWF(世界自然保護基金)などが97年に設立し、99年に、WWFから独立した機関である。漁業資源の保護と海の環境保護に配慮した漁業に認証を与え、認証を受けた製品にロゴマークをつけることを許可している国際的な非営利団体。もともと北大西洋で漁業資源が枯渇したときに考えられたシステムである。魚種ごとに漁法や漁期、漁獲量などを定める。そしてそれらを遵守し、乱獲防止策をこうじるなど持続可能な漁業をしている漁業に認証を与えている。これまでにアラスカのサケや銀ダラ漁、オーストラリアのロブスター漁など24件が認証を受けている。現在ラベルのついた製品は世界で980品目を越え、日本でもイオンなどのスーパーで目にすることができる。このマークの認証を日本で始めて京都の京底連が取得しようとしている。番組では「MSCマーク」の仕組みとその実態、そして京底連の挑戦を追う。
■海のゆりかごを作れ!
愛媛北東部にある岩城島の岩城生名漁協。ここ数年、メバル、タイなどの漁獲量が激減している。漁協の長期ビジョンとして「豊かな海を守る事も漁業者の役割だ」と考え、今年からアマモを植えて育てる活動を開始した。アマモは、魚の産卵、幼稚魚の育成の場であり、“魚のゆりかご”と言われている。魚にとって大切なアマモを、漁業者自ら守り、海を大切にしていくことが、漁業を持続可能なものにしていく第一歩になると考えている。
■ガイアの夜明け

11月20日(火)よる10時00分〜10時54分
「日本酒 どん底からの復活 〜助っ人はコンビニとハケン会社〜」
【出演者】
(ナビゲーター)役所 広司
(ナレーター)蟹江敬三
日本そして世界の経済の動きを幅広いテーマで描くドキュメンタリー。

【みどころ】
消費者の日本酒離れに歯止めが掛からない。日本酒の生産量はこの30年間で約3分の1に減り、地場の酒造メーカーは、ピーク時に約4000あったものが、半分以下に激減してしまった。そんな“どん底”にあえぐ日本酒業界だが、新たな取り組みに着手する助っ人が現れた。それは、コンビニエンスストアに人材派遣会社というまったく異業種の男たち。彼らは伝統の酒を復活させることができるのか?
【内容】
■若者を取り込め!ファミリーマートのニュー日本酒
日本での酒の販売は、去年、販売形態が自由化されて、主戦場は「町の酒屋」から量販店やスーパー、そしてコンビニエンスストアへと移ってきた。コンビニは全体の1割を占めるまでに成長したが、若い世代が購買層の中心のため、日本酒の販売量は5%しかないのが実情だ。
今年7月、大手コンビニチェーン・ファミリーマート本社に、4大日本酒メーカーである「宝酒造」、「日本盛」、「白鶴」、「月桂冠」の担当者が集められた。いわば日本酒業界の代表者を前に、日本酒担当の芳野祐之さん(38歳)が檄をとばした。「10年間に日本酒の消費量は半分に減った。その責任は、あなたがた大手メーカーにあるはずです。このままでいいのですか・・・」。ファミリーマートでの日本酒の売上の8割は、「オヤジくさい」といったイメージが強い、いわゆる「カップ酒」。購買層は、50歳代から60歳代の男性に絞られていた。そこで、芳野さんは「コンビニを最も利用する20〜30歳代が手にしてくれる商品を作ろう」と呼びかけ、ファミリーマートと大手4社による日本酒共同開発プロジェクトがスタートした。それは、各社1銘柄、あわせて4種類の日本酒を、統一ブランドとして販売するという画期的なもの。
「若者にはどんな日本酒が受けるのか」と悩む大手メーカーの社員たち。業界第2位の月桂冠の営業担当者は、若者に“日本酒特有の酒臭さ”が敬遠されていると判断、香りを重視した純米酒をプロジェクトの銘柄として取り上げることにした。
一方、芳野さんは「いくら中身が良くても、買ってもらえなければしょうがない・・・」と外見にこだわっていた。20代の女性にも手にとってもらえるような日本酒にするにはどうすればいいのか・・・。行き着いたのが、これまでの一升瓶でもワンカップでもない、新たなボトルの開発だった。しかし、伝統を重んじる酒造メーカーは、保守的なものにこだわりがちになり、中々意見はまとまらない。果たしてファミリーマートと大手メーカーの共同開発の行方は・・・。
■人材派遣会社が再生する日本酒作り・・・
地場の酒造メーカーといえば、長い伝統を持ち、そのオーナーは地域の名士とされたものだったが、いまは経営不振によって廃業ラッシュが続いている。去年6月、民事再生手続きに入った岐阜県羽島市の蔵元「千代菊」も、江戸時代から250年以上続く老舗の酒蔵だった。県内出荷量第一位を誇ったこともあったが、商品種類を増やしすぎるなど無理な事業拡大が災いとなり、経営が行き詰った。
そんな千代菊に目をつけたのが、人材派遣会社大手のスタッフサービス・グループだ。「純米酒や純米吟醸酒は、他の地酒メーカーに勝るとも劣らない品質を維持している」と判断し、買収に乗り出し、千代菊の7代目社長板倉吉則さん(56歳)も「伝統ある酒を、技術を誇れる蔵を潰したくない」という一心で買収に応じた。
スタッフサービス・グループは、一昨年から、日本酒の蔵元の買収に着手。これまでに新潟などの4つの蔵元を傘下におさめてきた。買収とその後の運営を担当するスタッフサービスの子会社「インターセラーズ」社長の津端さんは、買収の目的について「日本酒市場は今が底。だが何百年の歴史を持つ日本酒がなくなるわけがない。いずれ業界の淘汰が終われば市場は反転する。そこからがビジネスチャンスなんです」と語る。
そんな津端さんが、千代菊に送り込んだのが、16年間企業再生に携わってきた岡本雅行さん。岡本さんはまず、30種類もあった商品の売上数・収益率を分析。バラバラだった名称を『千代菊』に統一しブランド化、そして「純米酒」「純米吟醸」など収益の上がる酒に絞り込む方針を打ち出した。これに対し、「苦労して造ってきた一つ一つの銘柄が消えていくのはつらい」とジレンマに悩む板倉社長。
そして岡本さんは、生まれ変わった千代菊が初めて仕込む酒、取れたての新米で造る旬の酒「純米新酒」を再生の目玉にすることを打ち出した。しかし「純米新酒」は一つ一つ手作りで複雑な工程を必要とし、まだ暑い9月の時点から仕込まなければならない。長年酒造りを一手に引き受ける、杜氏たちにとっても大きなプレッシャーとなった。日本酒の醸造には暑さが大敵。残暑の蔵で、日本酒復権への戦いが始まった。
■ガイアの夜明け

11月13日(火)よる10時00分〜10時54分
「クレームに立ち向かえ!〜苦情処理の企業戦略」
【出演者】
(ナビゲーター)役所 広司
(ナレーター)蟹江敬三
日本そして世界の経済の動きを幅広いテーマで描くドキュメンタリー。

【みどころ】
今やクレームがない場所はないほど「クレーム社会」だ。企業は、小さなクレームを見逃したために会社の存続に左右しかねない問題に発展する可能性もある危機感から、消費者の声を積極的に経営戦略に生かそうとする動きが出てきている。その中心となるのがお客様相談室だ。企業戦略の中枢にお客様相談室を据えて、急増するクレームに向き合うお客様相談室の舞台裏と、“苦情は宝の山”と中小企業活性化に奮闘する商工会議所の姿を描く。
【内容】
■“攻める”お客様相談室のクレーム戦略・・・小林製薬
「熱さまシート」、「ブルーレット」。ドラッグストアで一度は目にしたことがある製品。大阪に本社がある小林製薬の商品だ。小林製薬に寄せられる相談件数は年間約5万件。クレームだけでも月に700件ある。最近では、商品の使い方などよりも、商品を想定外の使い方を消費者がしてしまったための苦情が増えている。消費者の応対には26名の相談員が対応にあたる。小林製薬の相談員は消費生活アドバイザーや薬剤師などの有資格者を配置、お客様の声に即座に対応できるようにした。お客様相談室の中に設けられた「分析チーム」。どんな商品に苦情が多いのか、消費者にどんな対応をすればいいのか、苦情への解決策に取り組んでいる部門だ。今年4月、研究開発部からお客様相談室に異動してきた、三角学さん。三角さんは、苦情を元に商品改善の指導や、クレームなどを寄せた消費者を直接訪問し、クレームの元となった商品の使い方なども視察、具体的な情報収集にも当たる。三角さん自ら研究所に出向き改善の提案を行っている。『一人の小さなクレームを見逃した事で、その後ろにいるかもしれない何千人の消費者のクレームも見逃す事になる』小林製薬のお客様相談室からクレームの現状を見つめながら、いかに潜在的なクレームを見つけ出し、いち早く対応していくか、企業のクレーム対策を描く。
■“クレームは宝の山”・・・福井の経済活性化を狙う福井商工会議所 ほか
『雨が降った時の電車内などで、傘の水滴で服や靴がぬれて困る−。』こんなクレームをヒントに生まれた、濡れない傘「ヌレンザ」。トヨタの高級車レクサスのブランドアイテムに採用され、横浜高島屋では月に50本も売れるヒット商品。開発したのは、福井県にある中小企業の洋傘メーカー。新開発の「ぬれない傘」の商品化に結びつけたのが、福井商工会議所が始めた「苦情・クレーム博覧会」というホームページだ。登録会員2万名、苦情数は3万件も蓄積されている。商工会議所が中小企業のマーケティングを代行する形をとっているのだ。中心となって動いているのが商工会議所の永田幸也さん。商品化で出来そうな「苦情」を企業に提供するなど中小企業を飛び回っている。苦情を元に新商品開発につながれば、地元企業の活性化につながると考えている。このホームページに寄せられた苦情をヒントに商品開発を進める企業も増えはじめている。越前市の建具メーカーは、『地震などの災害時、両手がふさがっていると扉を開けられない』というホームページに寄せられた苦情から、「防災建具」を開発中だ。これまでの建具の職人技とアイディアを駆使して、苦情に答える商品を生み出そうと奮闘している。住宅の洋風化や既製品などにより建具の発注が減少し続けている現在、『防災建具が一つの打開策になれば』と考えている。地震列島日本、東海・東南海地震など叫ばれる中、防災建具に商売の商機はあるのか・・・。苦情・クレームから地元企業の活性化を目指す商工会議所と苦情をヒントに新たな市場を狙う中小企業の取り組みを追う。
■ガイアの夜明け
11月 6日(火)よる10時00分〜10時54分
「甦れ!俺たちの工場〜“モノ作りニッポン”再生物語」
【出演者】
(ナビゲーター)役所 広司
(ナレーター)蟹江敬三
日本そして世界の経済の動きを幅広いテーマで描くドキュメンタリー。

【みどころ】
ニッポンの製造業を底辺で支えてきたモノ作りの街で、中小企業の廃業が続出している。そして、「モノ作りニッポン」に忍び寄るもうひとつの危機。それは、疲弊し切り捨てられていく、地方経済。強大化した中国が、日本製造業への買収に乗り出し、ノウハウを得た後、切り捨てていく・・・。そんな、悪夢のような事態がニッポンのモノ作りの現場で実際に起きているのだ。「モノ作り立国」で起きている実態をドキュメントする。
【内容】
■後継者がいない!東大阪で廃業続出・・・
中小企業白書によると、後継者難を理由に廃業する企業は約7万社に上る。この数字の背景には、厳しいコスト競争にさらされる事業を引き継ぐことに、若い世代が二の足を踏んでいるのだ。モノ作りの街、東大阪。1983年に1万社を超えた企業の数は、約6400社にまで減った。廃業した工場の跡地は、住宅やマンションに代わり、東大阪を代表する工場集積地も、様相が一変した。日本各地でモノ作りに忍び寄る、危機。廃業続出する東大阪の工場街を取材した。
■中国企業に買収 そして捨てられた工場・・・
2006年8月、中国・太陽電池大手の「尚徳太陽能電力(SUNTECH)」が、日本の太陽電池メーカー、MSKを約345億円で買収。中国企業による日本企業の買収では、過去最大となった。福岡県・大牟田市にある工場は、2004年にMSKが建設したばかりの工場。新しい産業が街にやってきたと、歓迎されたが、今年1月、中国の本社が、大牟田工場の閉鎖を突如決定。太陽電池部品の生産を中国に移管してしまったのだ。雇用を失いかねない事態に、困惑する従業員たち。「太陽電池」という新しい分野で、働く意欲に溢れていた大牟田の人々に、激震が走った。
■悪魔か?救世主か?その時、ファンドが現れた・・・
破たんした旧長銀で地獄を見て、転職した米シティバンクで、九州の富裕層開拓に奔走し成功を収めた、凄腕金融マンがいる。森大介さん(38)。今年5月、後継者難に悩む地場の中小企業を支援しようと、地銀などの協力を得て、新しいファンド(総額48億円)立ち上げた。その森さんが、九州の地域再生のために、目をつけた案件。それが中国に捨てられた、MSK・大牟田工場だった。
さっそく森さんが動いた。去年MSKで中国との買収交渉に当たった元幹部を、社長・会長に抜擢。工場の従業員とともに、EBO(従業員による事業買収・経営権の取得)を提案したのだ。約9カ月。大牟田工場を見捨てた中国企業から、事業引渡しの承諾を得た他、大手商社などからの出資も受け入れ、着々と新会社設立に向け動き出していた。しかし、工場の担保設定をめぐり、商社などとのの意見相違が・・・。新会社の設立に、出資企業の思惑が交錯し、暗雲が立ち込め始めていた・・・。
■工場に戻ってこい!人生をかけたスカウト
一方、新会社の発足を11月に控え、大牟田工場では、従業員たちが、辞めて行った仲間を工場に呼び戻そうと、採用活動を始めていた。しかし、採用担当者は言う。「突然、工場閉鎖を聞いた、あのときのことがトラウマになっているんです・・・。また、同じことが起きるんじゃないのかって。そんな人たちに、大丈夫だから戻って来いなんて言えますか?・・・」だが、残された時間は少ない。工場の稼動のためには、今の35人の約3倍の100人が必要になる。採用担当者は、仲間の従業員を回って説得を続ける一方、社長は、原材料メーカーを回り、製品を作るのに必要な材料の調達に奔走する。中国資本に見捨てられた、九州の地方工場。ファンドと手を組み、独立して技術力を再生できるのか? 11月1日。再生した新しい工場が、稼動の日を迎えた・・・。
■娘よ!社長になってくれ・・・ ある中小企業の決断
茨城県・ひたちなか市。新熱工業は、従業員70人。工業用ヒーターの開発を手がけ、工場設備、さらに大手コンビニや、飲食チェーン店などの厨房に必要なフライヤーを生産している。国内シェアは約7割。技術力に定評がある中小企業だ。社長の大谷洋史さん(68)。43歳で起業した大谷さんは、後継者のことなど考えず、走り続けてきた。会社が25周年を迎える今年、会社の行く末に不安を持つように・・・。中小企業の経営者として、簡単に後継者を任せることは難しい。
そこで、東京のアパレル会社で働いていた、長女・直子さん(36)を説得。7年前、結婚を期に旦那を婿養子として迎え会社に戻ってもらったが、今年、直子さんを後継者候補者にする決断をした。直子さんはひとり、10月から東京の中小企業大学校で、住み込みで勉強を始める。会社の財務から、経営の基礎を寮生活の缶詰生活で学んでいく。そこには全国から、同じ境遇の中小企業の社長の子息が集まり、学んでいる。中小企業の後継者として、直子さんの勉強の日々が続く・・・。










